ジェネリック医薬品Q&A
ジェネリック医薬品について、
患者さんから答えにくい質問を受けた時に
活用できる回答案を作成しました。
服薬指導時の参考コンテンツと
してご活用下さい。
Question 01
ジェネリック医薬品は
先発医薬品と同じ?
ジェネリック医薬品は、先発医薬品とは使用する添加剤が違うのだから、先発医薬品と同じと言えないのではないでしょうか?
ジェネリック医薬品は安全性が確認されている添加剤を採用しており、有効性や安全性について、先発医薬品と基本的に違いはありません※。
回答の詳細
ジェネリック医薬品は先発医薬品と異なる添加剤を使用する場合がありますが、日本薬局方の製剤総則の規定に基づき、基本的には使用前例があり既に安全性が確認されたものを使用しています。
使用前例がない添加物を採用する場合も、毒性試験等を実施し、安全性を厳しく審査したものしか使用しません。
※先発医薬品の特許が一部有効である等の理由により、効能・効果や用法・用量が先発医薬品と異なるケースが例外的に存在します。例外事例は日本ジェネリック製薬協会(JGA)のホームページに掲載されている「効能効果、用法用量等に違いのある後発医薬品リスト」にて、確認することが出来ます。
また、患者さんの体質によっては、添加剤が原因でアレルギー反応などの副作用等が引き起こされることもあります。
[参考]先発医薬品にもジェネリック医薬品の承認基準が適用される場合もある
先発医薬品においても、添加剤を変更する場合や口腔内崩壊錠などを追加で上市する場合など現行の先発医薬品と添加物が異なることがあります。
その場合の承認審査においては、「有効成分が同じで添加剤が変わる」という位置づけであり、求められる試験項目及び基準はジェネリック医薬品と同様に生物学的同等性試験によって確認されます。
Question 02
ジェネリック医薬品の
有効性・安全性は
先発医薬品に
劣るって本当?
ジェネリック医薬品の承認審査に求められる試験項目は、先発医薬品の場合と比べて非常に少ないと思います。ジェネリック医薬品は、先発医薬品と比べて有効性や安全性の面で劣るのではないでしょうか?
ジェネリック医薬品の審査に省略される試験項目は、最新の科学的知見に基づく世界標準の考え方で検討済みのもので、米国や欧州の各国でも同様の項目です。
医薬品は先発医薬品、ジェネリック医薬品問わず、有効性や安全性が確認された製剤のみが承認されています。
回答の詳細
医薬品の有効性、安全性を確認するために必要となる試験項目は、大きく分けて「有効成分に関する試験」と「製剤化された医薬品に関する試験」になります。
有効成分に関する試験について(先発医薬品のみ実施)
有効成分に関する試験には、非臨床試験項目(毒性試験・薬効を裏付ける試験等)や臨床試験項目(治験等)が含まれ、先発医薬品の承認申請時に審査されます。
ジェネリック医薬品は、添加剤が異なるものの先発医薬品と同じ有効成分を使用するため、有効成分の有効性や安全性は、先発医薬品のデータにより既に確認がなされていると判断し、省略することが出来ます。
製剤化された医薬品に関する試験(先発医薬品、ジェネリック医薬品のいずれも実施)
製剤化された医薬品に関する試験項目は、生物学的同等性試験等の内容が含まれています。生物学的同等性試験は、先発医薬品と同じ有効成分を同一量含有するジェネリック医薬品が、先発医薬品と同様の血中濃度推移を示すことが確認出来る試験です。
血中濃度推移が同様であることを確認できれば、医薬品としての作用の強さや影響は同じと考えられ、有効性や安全性は先発医薬品と同等であると判断することができます。
Question 03
海外の粗悪な原薬を
使っているのでは?
ジェネリック医薬品の原薬は海外の粗悪なものを使っていませんか?
ジェネリック医薬品の承認審査には原薬品質の確認項目があり、原薬の純度に関する審査には、先発医薬品も使用しているガイドラインをそのまま準用しています。
純度の低い粗悪な原薬は、先発医薬品と同様に使用することができません。
回答の詳細
純度の低い粗悪な原薬が製剤にそのまま使用されているとすれば、その医薬品の有効性や安全性に悪い影響を及ぼす可能性があります。
そのため、ジェネリック医薬品の原薬の純度は、日米EU医薬品規制調和国際会議(ICH)の合意に基づく「新有効成分含有医薬品のうち原薬の不純物に関するガイドライン」によって、承認審査の段階で原薬の品質が先発医薬品と同等あるいはそれ以上であるかを審査しています。
この審査によって問題のない医薬品のみが承認されるため、有効性及び安全性において先発医薬品と異なる影響を与えるような純度の低い粗悪な原薬による製剤がジェネリック医薬品として承認されることはありません。
Question 04
品目数が多いと品質管理が
不十分に
なりませんか?
ジェネリック医薬品製造企業は、先発医薬品製造企業と比べて1社あたりの製造販売品目数が多いので、確認に対する品質管理が不十分になりませんか?
先発医薬品製造企業、ジェネリック医薬品製造企業を問わず、すべての医薬品は、GMP※等に適合した工場にて医薬品の製造を行っています。品目数が多くても遵守基準は変わりません。
回答の詳細
医薬品が製造販売承認を得るためには、その製造所での製造がGMPに適合していなければなりません。
そのため、弊社工場では充実した設備を導入し、GMP基準に適合した工場として医薬品製造の許可を受けています。
製造医薬品の品質管理につきましても、1つ1つに至るまで丁寧かつ厳正なる試験を行って出荷しています。
遵守状況については、各都道府県に配置された薬事監視員等による定期的な査察により、チェックがなされていたり、社員のモラル意義の向上のため定期的な研修や社長自らの視察を行っています。
このように医薬品の品質確保に万全の態勢で臨んでおりますので、安心して服用していただけます。
※GMP:医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理に関する基準
Question 05
ジェネリック医薬品に
切り替えたら
効かなくなった!?
先発医薬品からジェネリック医薬品に切り替えたところ、それまで得られた効果が得られなくなることはありますか?
様々な要因から、先発医薬品からジェネリック医薬品あるいはその反対に切り替えた場合、それまでの効果が得られなくなったとの報告がなされることがあります。
ジェネリック医薬品の信頼のため、必要に応じて公的機関での科学的な品質検証が行われております。
回答の詳細
ジェネリック医薬品(後発医薬品)は、承認審査の際に、品質、有効性及び安全性において先発医薬品と同等であることが確認されている医薬品です。
しかし、患者さんが服用する医薬品を先発医薬品からジェネリック医薬品(後発医薬品)に切り替えたとき、あるいは、逆にジェネリック医薬品(後発医薬品)から先発医薬品に切り替えたときに、それまで得られていた医薬品の効果が得られなくなったお話を聞くことも事実です。
そこで、国立医薬品食品衛生研究所に設置された「ジェネリック医薬品品質情報検討会」において、必要に応じ、公的機関で実際に品質等の試験を実施することにより学術的な検討を行っており、検討会に提出された資料、議事概要、あるいは検討会の結果概要等は当検討会のホームページに公開、PMDAのメディナビで情報発信しています。
Question 06
なぜジェネリック医薬品を
普及させる
必要があるの?
世界で最も進んでいるといわれる日本の医療の中で、どうしてわざわざジェネリック医薬品を普及させる必要があるのでしょうか?
医療費の上昇が見込まれる中、国民皆保険を維持する一つの手段として、医療の質を落とすことなく、医療費を軽減することが出来るジェネリック医薬品の使用促進が推奨されています。
回答の詳細
日本の医療保険制度は、一定の自己負担で必要な医療が受けられる体制を整備することにより、高い保険医療水準を達成してきました。しかし、急速な高齢化の進展等、医療を取り巻く環境は大きく変化しており、今後も人口構造の変化に対応できるシステムを作ることが必要とされています。
医療技術の進歩や高齢化等により、今後も医療費の上昇が見込まれる中、必要な医療を確保した上で、効率化を図ることが重要です。
ジェネリック医薬品は、先発医薬品と治療学的に同等であるものとして製造販売の承認を得た医薬品でありながら、開発費用を低く抑えられることから、低価格での供給が可能であり、高価な先発医薬品と代替可能な医薬品と位置づけることが出来ます。
ジェネリック医薬品の使用促進により、医療の質を落とすことなく、患者さんの薬剤費の自己負担を軽減することができるほか、より革新的な先発医薬品を医療保険で高く評価することによってその開発を促すなど、限られた医療費資源をより有効に活用することが可能となります。
Question 07
患者さんに
わかりやすく説明できる
動画コンテンツはありますか?
動画(例えばYouTube)などで患者にジェネリック医薬品について
わかりやすく説明しているものはありますか?
日本ジェネリック製薬協会(JGA)のホームページにジェネリック医薬品について鷹の爪団が解説するYouTube動画が掲載されています。
回答の詳細
JGAでは「鷹の爪団のジェネリックトラベル大作戦2030」と「鷹の爪団のジェネリック都市伝説」 の2つのYouTube動画が掲載されています。